水切りの世界チャンプに学ぶ、向こう岸まで届くカッコイイ石の投げ方
小さい頃に没頭した「水切り」。大人になった今、どれくらい遠くに投げられるのか…!
筆者がまだ幼かった頃。実家が川沿いだったということもあり、よく石を拾っては兄2人(2歳上と4歳上)に「今日は何回跳ねられるか」と勝負を持ちかけ、夕暮れどきまで水切りをして遊んでいました。
水切りとは、小石を水面に水平方向に投げ、石が水の上をはねて飛ぶのを楽しむ遊戯(引用:コトバンク)
しかし、結果は連戦連敗。幼いながら、その年齢差かつ体格差をひがみ、「勝てるわけがないやん」といつも卑屈になっていました……。
あれから20年。大人になった今、当時感覚的に投げていた水切りを科学的かつ論理的に投げることができたらどれほど遠くまで石を跳ねさせられるのでしょうか。ましてや今、体格も筋力も増加。確実に当時より遠くに投げられるはず。
そこで今回は、⽔切りの世界チャンプである橋本桂佑さんの元を訪ね、水切りのコツを教わってきました。
取材した水切りの世界チャンピオン橋本桂佑さん
【プロフィール】
1991年、栃⽊県⼩⼭市⽣まれ。筆者同様、川沿いにご実家があったため6歳から⽔切りを始める。⼤学⽣時代、ネットで⽔切り⼤会の存在を知り、上⼿い⼈に教えてもらう想いでさまざまな⼤会に出場。今や“⽇本のハシモト”として、その名を⽔切り界に轟かせている。
【主な大会成績】
2012年 全日本石投げ選手権大会(宮城県丸森町) 優勝
2014・2017年 天塩川de水切り北海道大会(北海道中川町) 優勝
2014・2016・2018・2019年 仁淀川国際水切り大会(高知県いの町) 優勝
2015年 International Stone Skipping Championships(アメリカ、ミシガン州) 出場
2017年 World Stone Skimming Championships(スコットランド) 優勝
2018年 Rock in River Festival (アメリカ、ペンシルベニア州) 優勝
1バウンドでも遠くに投げたい!石選びのコツとは?
世界チャンピオン橋本桂佑さん(以下略:チャンプ)から⽔切りのレクチャーを受けたのは、筆者(写真右⼿前:イトキン。⽔切りは⼩学⽣低学年ぶり)と⼥性スタッフ(写真右奥:キノピ。水切り経験ゼロ)の⼆⼈。
今回は、⽔切り初挑戦の⼥性スタッフがいたということもあり、心新たに初級編から水切りを学ぶことに。
どんな石が水切りに向いてる?
まず最初に教わったのは、⽯の正しい選び⽅。チャンプ曰く、⽯選びは投げる技術より重要度が⾼く、極端な話「良い⽯さえ使っていればそれだけで良い⽔切りができる」とのこと。では、実際にどんな⽯を選べばいいのでしょうか。
さて、読者の皆さんはどれが水切りに向いた石だと思いますか?
正解は、①の角張った石!
ここで一旦、石の選び方をおさらい!
ポイント①大前提は平らな石
ポイント②薄すぎると風に煽られがちなので、程よく重量感のあるものを選ぶと◎
ポイント③指を引っ掛けられる角のある石
さて、ポイント③にある“指が引っ掛けられる”という意味は何を示唆しているのでしょうか。
スナップを効かせる?効率よく回転をかける石の握り方
この回転には、⽯の姿勢と軌道を安定させる効果があり、石の角に指を引っ掛けておくと、指から石が離れた時に自然と回転がかかってくれます。
正しい石の握り方
ダメな石の握り方
手先だけで回転をかけようとするのは×
石の握り方のおさらい
ポイント①人差し指を石の角に合わせる
ポイント②石と指の接着面が大きくなるように握る
最後は正しい姿勢を!教わったのは定番のフォームと、⾜場を安定させる低姿勢パターン
さて、石の選び方と握り方はコレでOK。最後は、石の投げ方です!
定番フォームはコレだ!
膝付き投法
いざ実践!目指せ30オーバーへの道!
さて、水切りのコツを教わった我々二人。早速、実践してみることに!
トレーニングは続く…
その後も我々二人は、チャンプが見守るなかで必死にトレーニング。
もちろん、石にスピードを出すことは大事なんですが、慣れるまでは8割ほどの力で正しいフォームを意識しましょう。
キノピ先輩の愛犬“ムギ”も飼い主の水切りを見守っています! 10投、20投……。徐々に上達する我々。
こちらが実際のチャンプの投球
50メートルを優に超える綺麗な投球。跳ねた回数は正直把握できませんでしたが、40回近くは飛んでいます。ちなみに、チャンプの自己記録は60回だそうです。
そして1時間後。30投目ぐらいでしょうか。ついに、その時が来ました!
今日イチの大記録! 思わず、世界チャンプともハイタッチ!
そして、キノピ先輩も……。
残念ながらうまく画面に収められませんでしたが、7〜8回の大ジャンプ。調子が良くて3〜4回だったキノピ先輩も見事に記録更新。この、ガッツポーズが嬉しさを物語っていますね。
残念ながら、目標の30回には遠く及びませんでしたが、めちゃくちゃいい思い出になりました。チャンプによれば「たった1日の練習で水切り30回は至難の技」だそうで、センスがある人でも2、3日は練習が必要とのこと。
キャンプの新定番に水切りはいかが?
撮影翌日、「イトキン、水切りいこ!」と誘ってくるキノピ先輩。それほど水切りは楽しく、年齢問わず、老若男女でお楽しみいただける魅惑なアクティビティ。
お子様と真剣勝負してみるのもいいのではないでしょうか? さて、これは余談ですが、じつは取材中、一投目の水切りでボイスレコーダーが水没。壊れちゃいました(泣)。皆さん、水切りをする際はポケットの中は空にしておくのがオススメです!
※水切りは、周囲に配慮しマナーを守って楽しみましょう
撮影:菊池貴裕 編集&執筆:GGGC
Source: nap-camp
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