キャンプ好きのデザイナーが手掛ける「デバイスワークス」って何者?【人気ガレージブランドの裏話vol.2】

アイキャッチ・記事中画像撮影:下城英悟

人気ガレージブランドをクローズアップ

大手メーカーによる大量生産品とは違い、職人技術やハンドメイドにこだわった高品質なアイテムが人気を博すガレージブランド。少量生産ながらもここ数年で人気がうなぎ登りのアイテムも少なくありません。

そこでこの企画では人気のガレージブランドにスポットを当てて、そのヒストリーと魅力に迫ります!

第2回目は「デバイスワークス」



2018年夏にブランドを立ち上げ、同時にショップをオープン。以来数々の人気ガレージブランドとの別注コラボギアを生み出し続けている「デバイスワークス」は、現在のキャンプシーンにおいても独自の存在といえます。



横浜にある店内には他では見たこともない別注コラボギアが所狭しと並び、オーナーの趣味でもあるビンテージのランタンは専門店顔負けの品揃え。これを目当てに、遠方から来店するお客さんもいるというから驚きです。



2階にはブランドの世界観が凝縮されたギアを展示。アウトドアショップとは思えないオシャレでスタイリッシュな空間に仕上がっています。

今回は、そんな「デバイスワークス」のオーナー兼デザイナーの秋山大輔さんに、ブランドヒストリーや人気アイテムについて伺いました。

秋山さんにインタビュー!「デバイスワークス」って何者ですか?

ブランド立ち上げのきっかけは?

デバイスワークス代表・秋山大輔さん

かつてデザイン会社に勤務していたという秋山さんは、セールスプロモーションからブランディング、グラフィックデザインまで幅広い業務経験を経て、5年前に独立・起業。ですが、現在でも「本業はデザイナー」だと言います。

パパ友に誘われてキャンプに行ったのが4年前。そこで一気にキャンプにハマってしまって。自分のブランドを立ち上げたいという一心で、ショップまでオープンしてしまいました。

「デバイスワークス」はショップ名でもありますがブランド名でもあり、僕が経営するデザイン会社の名前でもあるんです。ちなみに「DEVISE」は、クリエイティブでコトを創意工夫するという意味の動詞からとっています。よく「DEVI“CE”」と間違われますが「DEVI“SE”」の方です。

知名度を上げるきっかけになったのは?



ショップオープンのタイミングでガレージブランド@38exploreとコラボしたのが「38パレット」。この商品をきっかけに「デバイスワークス」の名前がキャンプシーンに知れ渡ることになります。

38パレットを手掛けている良き先輩、ミヤさんの協力もあって多くの方に認知していただきました。幸いにもデバイスワークスが38パレコラボの第一号だったんです。

デバイスワークスのデザインワーク



ウッドやステンレスに施されたレーザー加工は、デバイスワークスのお家芸。写真の「HERAX フルセット」(14,960円)のほか、「HIJIWARU」、「ONESTABLE」、「HOLIMAX」などさまざまなコラボアイテムの彫刻製品は、じつはここで誕生しています。

刻印のパターンは自分でデザインして、レーザー加工機を使ってひとつひとつ手作業で仕上げています。いろいろと試行錯誤した結果、最近では平面はもちろん立体にまでレーザー加工ができるようになりました。

細部まで緻密に刻印された模様は、もはや芸術品! デザインも加工もすべて自己完結できるのは、秋山さんがデザイナーだからこそですね。

ショップの2階スペースには、レーザー加工機のほかにも製版機やシルクスクリーンのプリント台、マーキングマシンなど、思い立ったらすぐに作れる環境が整っていました。

デバイスワークスのオリジナル商品も続々登場



数々のガレージブランドとの別注コラボが人気のデバイスワークスですが、最近はオリジナルアイテムも増加中。こちらのタンブラーはこの夏に登場する新アイテムです。

鉄板料理に欠かせないヘラやジッポライター・焚き火用のベストなど、とにかく自分が欲しい物を製作しています。このタンブラーも欲しいから作りました。

飲み物に合わせた全5種類で、すべてブラックのボディにレーザー加工を施しました。夏は氷が溶けるのが嫌なので、ステンレスの真空二重構造というのもこだわりです。

台湾のガレージブランド「ブラックデザイン」とも深い関係が



ウッドテーブルやランタンハンガーがコアなキャンパーに人気の「ブラックデザイン」。台湾のアウトドアブランドですが、じつは秋山さんが日本におけるプロモーションを担われています。

方舟」というテーブルを初めて見たときに、衝撃を受けたんです。これは一緒に何かやりたい! と思って連絡を取ったところ、ちょうど彼らも日本進出を検討しているタイミングでした。

縁あって僕が日本でのプロモーションを担当しながら、デバイスワークスの別注コラボギアも展開しています。

こういったフットワークの軽さも、秋山さんの持ち味。自分が欲しい物を追求し、それを実現するスピードが圧倒的に早いからこそ、たった2年で人気ブランドに成長したのでしょう。

続いて、デバイスワークスの人気コラボ作品を一つずつ紐解いていきます!

売り切れ必至!デバイスワークスの人気コラボ作品

“最上級のカーミットチェア”をコンセプトにした「SANDANBARA」



デバイスワークス初のコラボ商品が、ピノワークスに別注した「SANDANBARA」(74,800円)。カーミットチェア用の張り替えレザーシートですが、座り心地はとにかく極上。

耐久性が高くて、エイジングも楽しめる国産牛革を使用しています。背もたれの隙間に埋められたクッションがしっかりと腰をサポートしてくれるので、フィールドはもちろんリビング使いにもオススメです。

絶妙な高さにこだわった「ソマチェア」



SOMABITOの人気商品「ソマチェア」をベースに、オットマンにもなるようにと脚の長さをやや短くアレンジした「ソマチェア デバイスモデル」(30,800円)。

従来モデルよりも低くなった分、脚のウッドも標準より太くなっています。ポイントは360度に入れたレーザー彫刻。無垢なので、ぜひオイルやワックスなどで好みの色に仕上げてください。

構想1年かけた“ヤバい”焚き火ギア



サンゾクマウンテンに別注した「yabai DEATHシリーズ」は、秋山さんが何度もデザインを練り直して完成させた新作。「yabai DEATH skull DERUTAS」(56,100円)と「yabai DEATH skull MOUNCOL」(51,700円)は、ともに問い合わせが殺到している人気アイテムです。

火を入れたときに浮かび上がるドクロや骨をモチーフにした文字が、「とにかく“ヤバい”」とサンゾクマウンテンのお二人。それが名前の由来です(笑)。

焚き火台は強度を保ちながら大きくくり抜いたことでブラスト効果が高まっているので、よく燃えますよ。

設計とデザインを手掛けたメタル製のハーフラック



ヘキサテーブルの中央部分にぴったり収まる「メタヘキテ」で人気の「アナキャン」と共同開発して出来上がった「メタヘキテハーフ」(24,000円)。

通常の別注コラボは既存のデザインにアレンジを加えることが多いのですが、このラックは僕が設計とデザインを担当しました。メタヘキテやメタヘキテラック、その他のギアと並べて使いやすく、レイアウトの可能性を広げてくれるNEWアイテムです。

まだある!リリースを控えている別注コラボネタ

家族5人でも余裕の大型ティピテント



この夏にリリースを予定しているのが、韓国のテントメーカー「ウェスタンソウル」に別注したティピテント。大小2サイズの展開で、秋山さんが手掛けたグラフィックが全面にプリントされています。

冬での使用に重きをおいた特殊素材を使ったティピテントです。インディアン柄がアイコンのブランドなので、リスペクトを込めてネイティブ柄をデザインしました。

我が家は5人家族なのですが、大サイズだとぴったり。2~3人の場合は小サイズがちょうどよいサイズ感です。

キャンプ場で乗って欲しい! 折りたたみ式電動バイク



そして、なんと電動バイクにも着手! 夏にリリースするのが「グラフィット」に別注したこちら(予価298,000円)。パーツをすべて特注カラーのマットブラックで仕上げ、タイヤはオフロード仕様に変更、リアには荷物が載せられるキャリアを搭載しています。

アクセルをひねると自動で進む、新感覚のバイクです。折りたためば灯油ストーブ一台分くらいのサイズになるので、車の積載も可能。モーターが付いているので運転には原付免許が必要になりますが、ぜひキャンプ場で乗って欲しいですね。

デバイスワークスの商品を入手する購入方法ガイド



2020年6月にオンラインショップもオープンしたデバイスワークス。でも、HPを覗いてみると扱っている商品は一部に限られているようです。欲しい商品は横浜の店舗でしか買えないのでしょうか?

扱っているものはビンテージや少量生産のものが多いので、オンラインショップには一部しか出していません。基本的には店頭販売です。

商品を理解してから買っていただきたいというのが本音ですが、要望の多い商品は少しずつオンラインにも掲載していく予定です。

商品の入荷情報や新製品の発売時期についてはインスタグラム(@deviseworks)で随時更新しているので、目当ての商品がある人は要チェック。DMでの問い合わせにも柔軟に対応しているそうなので、気になることがあれば活用すると良いでしょう。

デバイスワークスの勢いは留まることを知らない



「欲しい物」を具現化して、次々と魅力的なアイテムを輩出するデバイスワークス。ちなみに秋山さんの手にかかれば、Amazonで売ってる子供向けラジコンもかっこいい“ギア”に生まれ変わってしまうからさすがです。

7月後半の4連休からは2周年企画がスタート。スペシャルなギアも続々登場するそうなので、今後の動向からも目が離せません!

デバイスワークス ブランド情報

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Source: nap-camp