家もキャンプ用品も…森暮らしの掃除は“天然素材”の箒で【写風人の駒ヶ根アウトドアライフ~第3章#14】

アウトドアマン・写風人さんが送る“南信州の森暮らし”

長野県・駒ヶ根市に居を構える写風人さん。アウトドアと密接な日々の暮らしを綴ります。

写風人

1955年生まれ。GRIP SWANYオフィシャルカメラマン。FIRESIDE薪ストーブエッセイ著作家。2019年より南信州に移住し、薪ストーブを中心とした火のある生活を愉しんでいる。Instagramのアカウントは@syahoo_jin

虫対策は必須の日々が続く秋

南信州はもうすでに秋の気配を感じるほど涼しくなりました。ただ森暮らしの初秋は、まだまだ虫が多くてほんとに嫌になります。

森に囲まれているので、今まで見たことのない虫に出会うことも少なくありません。

「アロマ線香」で身体にやさしい虫対策


普段野良仕事をする服装は長袖・長ズボンのため意外と蚊やブヨなど吸血系の虫に刺されたことはありませんが、ちょっと油断してTシャツ・短パン姿で草引きでもすれば、すぐにアブの餌食です。



そこでよく焚くのが、天然成分の「菊花線香」。主成分は除虫菊やハッカなどの天然成分で、虫を殺すのではなく退避させる効果のため小さなお子様やペットにもやさしいアロマ線香です。

ITEM



りんねしゃ オリジナル菊花線香 
●サイズ φ12cm
●重量:390g
●素材:除虫草、ハッカ、除虫菊粉末、白樺木粉、タブ粉、でんぷん

<!–

–>

photo_002
天然といえばクスノキやスギの葉など自然の樹木の煙にも虫除け効果があるので、キャンプ場にスギの葉があれば焚き火で燻してやると虫は寄ってこなくなります。

そんな話になったところで、今回は天然素材で作られた暮らしの道具をご紹介したいと思います。直接キャンプとは関係ありませんが、道具のメンテナンスにも役立つアイテムですのでどうぞお付き合いください。

森暮らしの掃除に欠かせない天然素材の箒(ほうき)


まず始めに「ウールダスター」。羊毛ブラシとも言います。天然ウールにはチリやほこりを吸着する性質があるので、軽く撫でるだけで隙間やデコボコのホコリをサッと取り除いてくれる優れものです。

ケトルやランタンなど複雑な形状のキャンプギアの掃除にも便利。汚れてきたら羊毛洗剤を薄めて軽く手洗いすれば、繰り返し使えて経済的です。

箒(ほうき)もよく使います。もちろん掃除機も使いますが、静かな森暮らしにあの騒音は不釣り合いですよね。黙々と手作業で草引きすることが好きなので、箒を使った掃き掃除もよくします。

天然のワックス効果がある「棕櫚(しゅろ)箒」


お気に入りのほうきが、棕櫚(しゅろ)。繊維に油分が適度に含まれているのでホコリが舞い上がりにくく、畳や床に艶が出るほどワックス効果があると言われています。

棕櫚箒をサイズで分けると、両手で持ち立ち姿勢で使う「長柄箒」。片手で持ち少し腰をかがめて使う「片手箒」。他には日常使いに重宝する、手ぼうきと言われる「小箒」があります。

原料は棕櫚の木の皮を使いますが、種類は繊維によって大きく2種類。ひとつは、丈夫で貴重な棕櫚繊維だけを束ねている「鬼毛箒」(左)。棕櫚箒の最高級品です。繊維のボリュームがあって銅線の巻き数も多く丹念に作られ、その丈夫さは「一生に3本あれば事足りる」とも言われるほどです。

もう一つが「皮巻き箒」(右)。剥いだ棕櫚皮をそのままくるりと巻いて束にしてから穂先をほぐした、定番の棕櫚箒です。しっかりしたコシがあるので、より“掃いている”という感覚があります。

また棕櫚箒は何束で作られているかを「玉」で表します。左が「5玉」で右が「7玉」。「9玉」になるとより幅広になります。

薪ストーブ周りにも様々な手ぼうきが飾ってあります。これらは未使用品ですが、どこかで見つけた時につい買ってしまう手ぼうきです。
土間にある薪ストーブは煤や灰が落ちたり、ときには熾(お)きがこぼれることも。そんな薪ストーブ周りで合成繊維やプラスチック製品を使うことは抵抗があるので、手ぼうきがとても重宝します。

天然素材つながりで、最後にこちらもご紹介。少しお値段が張るのでためらいましたが、玄関にはマウンテンリサーチのリースマークがプリントされた「ココマット」を敷いています。ココナッツの繊維で作られ、毛足が長いので泥汚れには最強。我が家の玄関の顔です。

天然素材は種類によって特徴も違えば適した使い方も様々。素材ごとの違いを知り毎日の暮らしに取り入れれば、きっとその魅力に気付くと思います。

暮らしだけではなく、キャンプライフもより豊かに演出してくれる天然素材アイテムを探してみてはどうでしょうか。

写風人の過去の連載記事はこちら

Source: nap-camp