焚き火に便利なのに“ほぼ無料”!? 「手作り着火剤」の簡単な作り方4選

火がつきやすい着火剤を自分で作れるって本当!?



着火剤と聞くと、お店や売店で売られている市販のものを想像しますよね。秋になれば松ぼっくりや松の枯葉といった現地調達できるものを使用する人もいますが、季節が限られるため通年では難しいもの。

あまりお金をかけたくないという人に、実は自分で簡単に着火剤を作れる方法があるのです! 今回は、選りすぐりの4つの方法を紹介します。

手作り着火剤はここが魅力!

着火剤なのでトーチやマッチなのですぐに火がつくことはもちろんですが、今回紹介するものは3つの特徴があります。

①ポケットに入る「優れた携帯性」

出典:PIXTA

車でキャンプをする人はあまり気になりませんが、電車やバスと行った公共交通機関で行く人もいれば、バックパックを背負って行く人もいますよね。そんな人が持ち運びにくい着火剤を持っていくのは、とても不便。

バッグのポケットに収納できたり、クッカーの袋や焚き火ツールの収納袋に入れたりと、ついでに持っていけそうなくらい持ち運びが簡単なものがいいでしょう。

②初心者でも「簡単に扱える」

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火をつけるまでに何分もかける……なんてやっていたら、正直気分が駄々下がりになりますし、冬だと凍えてしまいます。サッと取り出して、説明書不要ですぐに火がつく簡単なものなら、安心して使えますね!

③材料は「簡単に手に入る」

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今回紹介する着火剤は、端切れや牛乳パックなどを使っています。高級品や都度買いに行かなければならないものではなく、身近なものを使うことで時間と費用をかけずに作れますよ!

実際に着火剤を4パターン作ってみた



では、早速着火剤を手作りしてみましょう! 作ったのはCAMP HACKのYouTube担当のちゃもさん。キャンプ歴5年で、ブッシュクラフトに近いワイルドなキャンプをするのが大好きな女子キャンパーです。



作る着火剤はこの4点。画像右上の1番目から順番に紹介します。

着火剤① 服の端切れと蜜蝋を使ったミツロウマッチ



まずは見た目もおしゃれな「ミツロウマッチ」。布や端切れを丸めて固形にしたもので、チェック柄やボーダー柄、ドット柄などお好みの柄物を使えば、飾ってインテリアとしても映える、なんてことも。



見た目は可愛いですが、実力は強者。蜜蝋は別名「ビーズワックス」と呼ばれ、ミツバチが巣を作る際に分泌するロウを溶かして固めたもの。

キャンドルに使われる材料ということもあり、火を当てたらすぐに着火し、たくましい火が上がります。



着火から終わりまでの時間を測ったところ、約7分間も持続! 端切れに使う生地や密度によって変動しますが、この持続力が魅力です。



用意するのものはこちら。

ミツロウマッチに必要なもの
・布(コットン100%)
・蜜蝋(ビーズワックス)適量
・クッキングシート 2枚
・トレイ
・アイロン
・ハサミ
・手袋



最初に布を0.5〜1cmの幅でカットします。布は着なくなった服や端切れを使っても問題ありません。

カットする際は、細すぎるとたくさんの量が必要になり、太すぎるとと丸める際にかさばってしまうので注意しましょう。



アイロン台にキッチンペーパーを敷き、その上にカットした布をのせます。布は整えないままで問題ありませんが、ペーパーからはみ出ない量を置きましょう。



布の上に蜜蝋を振りかけます。使う蜜蝋は粒状のものがおすすめ。全体に満遍なく振りかけることができます。

精製されたものとされていないものの2種類がありますが、どちらで使っても問題ありません。ネット通販で簡単に手に入り、精製された蜜蝋100gで750円くらいで販売されています。



蜜蝋をふりかけたあと、さらにその上にもう1枚キッチンペーパーを敷き、上からアイロンを使って熱をかけます。温度は80〜120℃ほど。

蜜蝋の染み込み具合は、ペーパーが透けて布が見えればOK。熱を当てても透けない場合は蜜蝋が足りないので、付け足して再度熱を当てましょう。



ペーパーをめくり、完全に乾くまで待ちます。その後、ウズラの卵くらいの大きさになるように丸めます。

丸くなりにくかったら握ってギュッと固めてもいいでしょう。乾いていないまま丸めると、丸めてもきれいに形が作れないことがあります。

着火剤② ワセリンコットン



次に紹介するのは、保湿剤として親しまれているワセリンを使った「ワセリンコットン」。ワセリンの大部分を占めるパラフィンという成分は燃えやすく、コットンに染み込ませることでマッチで簡単に着火させることができます。

コットンは化粧品で使っているタイプのものでOK。ワセリンも全国のドラッグストアで販売されているため、他の着火剤と比べて用意に手に入れられる材料なのが特徴です。



このワセリンを染み込ませたコットンが着火剤でどのくらい保つか試したところ、約4分間燃焼し続けました。燃えカスや灰が残らないため、ゴミが出ないのも魅力です。



用意するものはこちら。

ワセリンコットンに必要なもの
・ワセリン 適量
・コットン 適量
・加熱する容器(シェラカップなど)
・バーナー
・ピンセット(金属の箸でもOK)
・トレイ
・バターへら(スプーンでもOK)



まずはワセリンをシェラカップに移します。今回は9枚の着火剤を作るため、バターヘラで3回つくるほどの量を使用します。



バーナーに火をつけ、シェラカップをのせてワセリンを溶かします。トロッと透明になれば火を消します。

長時間すると焦げてしまうことがあるので、弱火でじっくりを溶かすのがポイントです。



コットンを溶けたワセリンに浸し、トレイにのせて乾かします。5分ほど経ったら完成です! こちらもあまり手間をかけずに作れますよ。



この着火剤はべたつきがあり、他のものと一緒に入れるとくっついてしまいます。なので持ち運ぶ際は、小さい密閉袋を用意して個別で保管することをおすすめします!

着火剤③ あのチャークロスも自作できる!



ブッシュクラフターたちも愛用するチャークロスも自作できます。これの一番の魅力は、生地状のものなのでかさばりにくいところと、ファイヤースターターなどのちょっとした火の粉でも簡単に着火できるところです。



他の着火剤と比べると持続力はほぼありませんが、火がついたチャコールに枯葉などを置き、空気を入れれば着火することができます。



用意するものはこちら。

チャークロスに必要なもの
・厚手の布(コットン100%)
・フタ付きの缶
・バーナー
・ナイフ
・ハンマー



最初に布をカットしていきます。幅はお好みですが、広いほど炎の持続力が上がるので、収納する空き缶に合わせるのがいいでしょう。今回は5×5cmにカットしました。



カットした布を缶に入れ、フタを閉めます。隙間がないようにびっしり用意しましょう。



フタの中央にナイフを立て、上からハンマーで叩いて穴を開けます。



開けた状態がこちら。5mmくらい空いていれば大丈夫です。穴が大きすぎると布が燃焼してしまいます。



バーナーの上に缶を置き、弱火で熱します。フタ付きの缶を熱することで、中で不完全燃焼が起きて炭化されます。その際に、中から白い煙があがります。

  • 煙が出なくなったら火を止め、缶が冷めるまで待てば完成! 缶が熱いうちにフタを開けてしまうと、クロスが燃焼して失敗する可能性があります。
  • 持ち運ぶ際は、水に濡れないように密閉した容器に入れましょう。布と空き缶を用意すればキャンプ場でも作れるので手軽ですよ!
  • チャークロスは焚き火でもできますが、今回は手軽に作れるようにバーナーを用意しました。ただし、輻射熱が気になる場合は遮熱板を用意するといいでしょう。また、バーナーは可燃性ガスが出るため、使用する際は室内ではなく屋外で行いましょう。
  • ここまでで3つの着火剤を紹介しましたが、「作るのがちょっと面倒……」という方へ、最後にとっても簡単に作れる着火剤をお教えします!
  • 着火剤④ もっと簡単に作れる着火剤は牛乳パック!?



    着火剤にも使えるものとして定着しつつある牛乳パック。表面にワックスコーティングがされていて、一般的な紙より長い時間燃焼することができます。



    今回はカットしてブロック状にして、持ち運びやすいように加工します。実際に燃やしてみたところ、約3分間も炎が維持できました! 子供と楽しく作れるのも特徴です。



    用意するものはこちら。

    牛乳パック着火剤に必要なもの
    ・牛乳パック
    ・はさみ



    まずは完全に乾かした牛乳パックを1枚状に開き、縦8等分にカットします。


    カットしたパック2枚を使い、垂直に重ねて交互に折り返していきます。



    このようにブロック状にすれば完成! そのままの状態だとバネのように開いてしまうので、輪ゴムで固定しておくといいでしょう。

  • 慣れれば1個15分程度で完成しますので、サクッと作れるのもポイントです。

手作り着火剤で自分らしい焚き火スタイルに挑戦しよう



市販の着火剤を使うのもいいですが、家や庭などでチャチャっと作ってしまえば、余分なコストをかけることなく、大量に用意することができます。

今回紹介したものを参考にして、自分にあった焚き火のスタイルを楽しんでみてはいかがでしょうか。

動画でチェックしよう

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Source: nap-camp