もう焚き火シートで迷わない!選び方からおすすめまで全部まとめます

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そもそも焚き火シートって何で必要なの?

焚き火台と焚き火シート

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そもそも、なぜ焚き火シートを敷く必要があるのでしょうか。落ち葉や芝生などに、もし火のついた薪が落ちてしまった場合、火事になる恐れがあることは想像できるでしょう。

焚き火台の下に敷くシートはこれを防ぐためのものですが、実は他にも目的があります。ここでは焚き火シートを使用する目的について紹介します。

火事の予防

焚き火から火事になってしまった様子

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まずは火事の予防です。林野庁のWebサイトによると、2016年〜2020年に発生した林野火災のうち、分かっている範囲で最も多い出火原因が「焚き火」であり、全体の31.4%を占めています。

※参考:林野庁「山火事の直接的な原因にはどのようなものがあるの?

芝生のキャンプ場や、枯れ葉が多く乾燥している秋〜冬にかけては、少しの火種でも火事になる危険性が高いです。焚き火シートを敷くことによって、薪や火の粉が地面に落下するのを防ぐことができます。

芝生や地面など環境へのダメージ軽減

芝生のキャンプ場

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焚き火の温度は800~1,000度近くになります。焚き火台によっては地面との距離がほとんどない場合もあり、直接火に触れていなくても芝生や地面へダメージを与えてしまう可能性があります。

焚き火シートを敷くことによって、芝生や地面など、環境へのダメージを軽減することができます。

片付けを楽にする

焚き火後の灰

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焚き火をする際に必ず発生するのが「灰」です。灰は放置しても分解されることはないため、自然に還りません。そのためキャンプ場内で指定外の場所に灰を捨てたり、こぼれた灰をそのまま放置したりするのはマナー違反です。

しかし気をつけていても、焚き火台から意図せずこぼれ落ちてしまうのは避けにくいもの……。そこで焚き火シートの出番です。ほとんどの灰や燃え残りの木屑を受け止めてくれ、片付けが楽になります。

焚き火シートの失敗しない選び方

焚き火と焚き火シート

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焚き火シートの役割が分かったところで、次は多くの製品の中からどう選ぶかが問題になってきます。

ここでは焚き火シートの失敗しない選び方をポイントごとにまとめました。

ポイント1.連続使用温度はできるだけ高いものだと安心

熾火になった焚き火

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焚き火シートには連続使用温度というものがあり、素材に対し連続して熱が加わったときの耐熱温度のことを示します。

焚火台の表面の温度は800度以上にもなると言われており、焚き火台の下に敷く焚き火シートは連続使用温度が500度を超えていると安心です。

しかしなかなか700度を超えるものは多くないため、焚き火台の高さに応じて、重ねて使う、芝生では使用しないなどの工夫をすることで対応しましょう。

ポイント2.用途にあった素材を選ぶ

銀色の繊維

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焚き火台の地面からの高さや、子供が触る可能性があるか、芝生もしくは土の上かなどを踏まえ、素材で選ぶことも重要です。素材によって金額や扱い方も変わります

安価で手軽に購入できる「ガラス繊維」

まず1つ目はガラス繊維(グラスファイバー)です。ガラス繊維はガラスを融解、牽引して繊維状にしたもので、メリットとして耐火性に優れており、値段が比較的安い点が挙げられます。

その反面、手触りがちくちくする、生地が固いため畳みにくく扱いづらい、という点がデメリットになります。

特にちくちくする問題は、シリコンコーティングをされているものでも、傷ついたり折り畳みの負荷がかかることでガラス繊維がトゲとなり、皮膚に刺さって痛みや違和感を感じることがあります。

グローブを装着しての使用や、小さいお子様が触らないように注意するなど扱いに気をつける必要があるでしょう。連続使用温度は最大1,000度程度です。

より高温に耐えることができる「シリカ繊維」

次に、シリカ繊維です。シリカ繊維は、ガラス繊維を特殊加工してできた素材です。最大1,600度の熱が加わっても変形せず、連続使用温度も最大1,100度程度と、ガラス繊維より耐熱性がアップしているところが特徴です。

デメリットとしてはガラス繊維同様、生地の固さと手触りがちくちくする点、値段も若干高い点が挙げられます。こちらもシリコンコーティングされているものも販売されています。

触ってもチクチクしない「耐炎繊維(カーボンフェルト)」

最後に耐炎繊維(カーボンフェルト)です。耐炎繊維は抜群の耐炎性能を持つ有機繊維で、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性にも優れています。繊維が柔らかく、他の繊維商品と異なり小さく折りたたむことができます。

そして最大の特徴は、ちくちくしないという点。素手で触っても滑らかで、繊維が刺さることもありません。お子様が間違って触ってしまっても安心です。

デメリットは他の繊維と比較すると高額な点と、燃焼している薪が直接触れた場合、接触部分が燃える可能性がある点です。

ポイント3.サイズは使用する焚き火台に合わせる

ロゴスの焚き火台3種類

出典:ロゴス

目安として、焚き火台の4倍の大きさがあると、木屑や灰がこぼれても後片付けが楽になります。多くの焚き火台の一辺は30〜50cmなので、1m×1mあれば安心できるでしょう。

しかし、この安心できるサイズは、焚き火台の高さや、大きな炎を楽しむのか、または調理に使用するのかなどによって変わってきます。初めての場合は「大は小を兼ねる」と考え、大きめのものを選ぶことをおすすめします。

ポイント4.グロメットや収納袋などの取り扱いやすさをチェック

グロメット付きの焚き火シート

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片付けを楽にする役割のある焚き火シート。灰や木屑が乗った状態で、風でめくれてしまった場合……想像したくありませんね。そんな悲劇は、グロメット付きの焚き火シートならペグで固定し防ぐことができます。

また焚き火シートは素材によって、素手で触るとちくちくするものがあります。収納袋が付属している製品だと保管に困らず、取り扱いしやすいでしょう。

ポイント5.見た目を気に入るかどうかも重要

焚き火台とケトル

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いくら機能性が高く安くても、見た目に満足ができず、いつの間にか埃をかぶっているギアをお持ちの方、いますよね? そもそも購入の決め手として、見た目を重要視している方も多いでしょう。

優先順位は人によって異なりはしますが、サイト全体の色味、焚き火台との組み合わせで、使用時に満足できるかというところもポイントです。

おすすめの焚き火シート6選

ここまでは焚き火シートの役割と選び方について解説してきました。続いてはおすすめの焚き火シートを、定番ものから高スペック、特徴的な形状のものを含め6点紹介します。

ロゴス たき火台シート

焚き火シートの定番、ロゴスの「たき火シート」です。素材はガラス繊維。サイズは80cm×60cmで、ソロ用の焚き火台には十分なサイズです。おすすめポイントとしては四隅にあるグロメットで、ペグで固定することができます。

小型グリルや卓上グリルの場合は、二つ折りにしてセットすれば断熱シートのような効果もあり、汎用性が高いです。

気になるポイントは、専用の収納袋がない点、ガラス繊維のため使用していくにつれて毛羽立ちが出てくると、ちくちく感じやすい点です。

ロゴスからは、ワンランク上の「ロゴス 焚き火台 対価・断熱シート」もラインナップされています。サイズやグロメットが付いていることは同じで、下記のポイントがアップグレードされています。

●シリコンコーティング

●コットンを縫い合わせた3層構造
●重量が約2倍に
用途としては同じですが、断熱性が向上し、特にシリコンコーティングのおかげでちくちくしにくくなっているという点は嬉しいポイントです。
気になる点としては、アップグレードしたことによる重量と、専用の収納袋がない点ですね。

ロゴス たき火台シート

総重量:(約)270g
サイズ:(約)80×60cm
主素材:ファイバーグラス
カラー:ナチュラル
付属品:なし
グロメット:あり
連続使用温度:約500度

ロゴス たき火台 耐火・断熱シート

総重量:(約)530g
サイズ:(約)80×60cm
主素材:ファイバーグラス(シリコンコーティング)、綿
カラー:ナチュラル
付属品:なし
グロメット:あり
連続使用温度:約500度

ZEN Camps 焚き火専用シート

ZEN Campsの焚き火専用シートの特徴はカラーです。ガラス繊維製品では珍しブラックカラーは、無骨なキャンプギアにマッチします。

サイト全体に統一感を持たせているキャンパーは是非手に入れたいところではないでしょうか。耐熱温度約550度、収納袋・グロメット付きでシリコンコーディングもされており、機能面でも申し分ありません。

気になるポイントを挙げるとすれば、2022年8月20日現在Amazonで税込3,580円と、上記のロゴスのアイテムに比べると高額なところでしょうか。

グロメットについては、生地が重なっている部分でかしめられているため強度も期待できます。カッコ良いサイトづくりに一役買ってくれるアイテムです!

ZEN Camps 焚き火専用シート

総重量:(約)430g
サイズ:(約)95×60cm
主素材:ファイバーグラス(シリコンコーティング)
カラー:ブラック
付属品:収納袋
グロメット:あり
連続使用温度:約550度

CARBABY 焚き火シート

CARBABYの焚き火シートは、ガラス繊維を使用。カラーはロゴスのたき火シート同様ナチュラルです。生地の裏面にシリコンコーティングがされており、水洗いも可能でお手入れも容易です。

最大の特徴はなんといってもお値段で、シリコンコーティングされている中では非常に安価。2022年8月20日現在で、Amazonでは税込2,280円と非常にリーズナブルな価格となっています。

グロメットもあり収納袋も付属しているためコストパフォーマンスは抜群です。

気になるポイントは、他の焚き火シートと比較しても重めな740gという重量です。


CARBABY 焚き火シート 98x61cm

総重量:(約)740g サイズ:(約)98×61cm 主素材:ファイバーグラス(片面シリコンコーティング) カラー:ナチュラル 付属品:収納袋 グロメット:あり 連続使用温度:約700度

DOD タキビバビデブーM

ユニークなネーミングと機能的で独特な形状のギアに定評のあるDODからは、「タキビバビデブー」とこれまたユニークな焚き火シートが販売されています。

特徴的な見た目で、他メーカーでは見かけない正八角形となっています。上下左右シンメトリーになっており、円形や正方形の焚き火シートとの相性は抜群。

サイズは100cm四方と大きく、シリコンコーティングもされており取り扱いも容易。収納袋も付属しています。

気になるポイントは、連続使用温度が250度と低めなところ。焚き火台の高さを上げる、もしくは下にもう一枚断熱材を噛ませる必要がありそうです。

DOD タキビバビデブーM

総重量:(約)650g
サイズ:(約)100×100cm
主素材:ファイバーグラス(シリコンコーティング)
カラー:タン、カーキ
付属品:収納袋
グロメット:なし
連続使用温度:約250度

吉野 スパッタシート YS-2010S-1

溶接、溶断現場などで使用される吉野の「スパッタシート」。耐炎繊維(カーボンフェルト)にシリコンコーティングが施されています。本来の用途としては工業用ですが、アウトドア、焚き火台シートとしても定評がある商品です。

耐久性・断熱性に優れているほか、グロメットが付いているのも嬉しいポイント。

能連続使用温度が250度と低めですが、耐炎繊維にシリコンコーティングがされており、厚みが1cmと厚めなため安心です。

業務用だけあってスペックは申し分ないのですが、厚みがある分一定の重さがある点や、2022年8月20日現在でAmazonで税込5,214円とやや高額な点はネックになりそうです。

吉野 スパッタシート YS-2010S-1

総重量:(約)900g
サイズ:(約)92×92cm
主素材:耐炎繊維(シリコンコーティング)
カラー:グレー,ブラウン,ブラック等10色展開
付属品:なし
グロメット:あり
連続使用温度:250度

BUNDOK 焚火シート BD-498

コーティングのされていない「耐炎繊維(カーボンフェルト)」製品。小さめの正方形で、ソロ用の焚き火台にちょうど良いサイズです。

サイズは60×60cm、耐熱温度は約700度。コーティングされていない耐炎繊維ということで、生地も柔らかくチクチクせず、重量も140gでコンパクトにまとめることができるのが最大のメリットです。

気になる点は、布という性質上、手触りが良い反面枯葉や草が付着しやすかったり、灰が繊維の間に入り込んだりしやすいため、お手入れがしにくい場合があることです。

BUNDOK 焚火シート BD-498

総重量:(約)140g
サイズ:(約)60×60cm
主素材:耐炎繊維(カーボンフェルト)
カラー:ブラック
付属品:なし
グロメット:なし
連続使用温度:約700度

100円ショップの焚き火シートって使えるの?

100円ショップのキャンプ用品売り場

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最近では、ダイソーやセリア、キャンドゥといった100円ショップでもアウトドアコーナーが設けられるなど、キャンプギアのラインナップは充実しています。

その中には焚き火シートも含まれているのですが、これまで1,000円、2,000円以上で購入していたものがワンコイン以下の金額で購入できてしまうとなると、性能的に十分なのか不安になる方もいるでしょう。

そこで100円ショップの焚き火シートを使用する際の注意点をまとめました。

サイズに注意

まずはサイズです。焚き火台の4倍の大きさがあれば木屑や灰がこぼれても安心、後片付けも楽になります。しかし、ダイソーの焚き火シートを例にすると30×30cmとソロ用の焚き火台と合わせても心もとない大きさ

1枚で使用する場合、B6サイズや小型のウッドストーブくらいの大きさが最適なサイズです。

ダイソーネットストアで見る

耐熱温度は低い

サイズだけでなく厚みも薄く、耐熱温度は250度と低め。焚き火台が大きくなれば火も強くなり、温度も上がるため1枚では少々不安に感じるスペックです。

2枚重ねにして使用するなどの工夫をすると安心できそうです。2枚でも200円+税ですので、いくつか予備として用意しておいても損はないでしょう。

キャンドゥでは、500円で厚みがあり、グロメットのついているタイプも販売されています。

持ってくるの忘れた……そんな時の代用品

キャンプで忘れ物をした男性

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「焚き火台は持ってきたのに、焚き火シートを家に忘れた……」そんな経験がある人もいるのではないでしょうか。

焚き火をキャンプのメインと考えている人にとって、焚き火シートを忘れたから焚き火ができないなんて悲しすぎますよね。そんな時に、焚き火シートの代用品となるものを紹介します!

アルミホイル、アルミの大型容器

丸めたアルミホイル
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アルミホイルは、家庭でもコンロや調理で使っている通り、耐熱性に優れています。基本的には火の粉や燃えている木片が落ちても溶ける心配がありません。好きな長さに切り取って使用できるのも良い点です。

一方で、非常に薄いため炭挟みの先端で破ける可能性があります。二重、三重にして使用するのが望ましいです。最近販売されている、アウトドア用の厚手のアルミホイルだとさらに安心できます。



キャプテンスタッグ



アウトドア用厚口アルミホイル8m

重量:530g
材質:アルミニウム箔
長さ:8m

また、BBQで焼きそばの調理に使用されるようなアルミ製の大きな容器でも代用することができそうです。

ここまで代用品としてお伝えしてきましたが、基本的には焚き火シートを用意する必要があります。

あくまでも「代用品」。本来の使い方とは異なるため、使い方には十分注意しましょう。「サイズが足りない」「地面にダメージがありそう」といった不安が少しでもある場合は、焚き火は止めておくという判断をすることが大切です。

「焚き火シート」を使って、安心で楽しい焚き火ライフを!

焚き火に薪をくべる

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キャンプ人口が増えたことにより、キャンプやキャンプ場内のルールは以前と比較して明確になってきています。特に焚き火は、一歩間違えると他の利用者や自然へ悪影響を与えてしまう可能性があるのです。

焚き火をする際は焚き火シートをセットにして用意するようにしましょう。サイズが合わない場合は複数枚用意して、重ねたり面積を広げるなど工夫し、マナーを守って安心で楽しい焚き火ライフを!

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Source: nap-camp

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Posted by CAMP HACK